7月3日 加古川夏期大学で講演してきました

久々のブログ更新です。なかなかここにこれず、申し訳ありませんでした。


 さて、ファンの皆様も聞きいってくださっていたようですが、
7月3日 加古川夏期大学で講演をしてきました^^


 

お題は「福祉と私」。13:30〜15:00までと90分間の講演でした。
様々なことを語ってくださいましたが、今日はその中でいくつかを
抜粋して書きますね^^

 
『遠山の金さん』では、お白州の場面で、悪人役の役者の反応に
心がこもっていなかったら「監督、これアカンで」と
刑罰を重くしたり、逆に本当に反省している良い芝居、その反省している心が
とても表れていたら減刑することがあったとか。
お芝居は生き物で、いつも台本通りではいけないということだと
思います。でも一番大切なのは、いかに他人の痛みを感じることが
できるかということだと思います。
本当に人の痛みを感じ取れていなかったら、刑罰が重くなることは
現実にもありえること。それはお芝居の中でも同じだったのかも
しれませんね。


「人の痛みがわからないと人間でないとでしょう」
そういって、椎間板ヘルニアなどで生きた骨を削ったという話しをする杉さん。
「今、この話を聞いて『よっぽど痛いで〜』と思う人がどれだけいてくれるかなぁ」と
つぶやき、会場には笑いが起こります。


 それから、杉さんがたった26歳か27のとき、広島と長崎の原爆病院を慰問した話しや、
兵庫県金井元彦知事(当時)の名代として、沖縄を訪問(国立沖縄戦没者墓苑追悼式に
出席するため)したときに話しに。当時はまだパスポートが必要な時代。
 被爆者が「握手してください」と寄ってくるその手をみて、ケロイド状態の
ひどさに一瞬握手するのをためらった自分を恥じたそうです。
慰問後、その手を洗う自分に「お前、それ汚いと思って洗ってんのか?」
「こんな気持ちのなったことは誰にもいわれへん」」とすごく自分を責めたそうです。
数年間、このことはいえませんでしたが、今になって当時の気持ちを打ち明けることができますと話されていました。



 また、長崎で小料理屋に行った時の話。そこのおかみさんがあまりにも綺麗だったので、「ご結婚されているんですか」と尋ねたら、「独りですよ」と答えが返ってきたので
「そんなはずないじゃないですか」というと「杉さん、ちょっと来て」と裏に呼ばれたそうです。そしておかみさんが着物の裾をめくるとそこにはケロイドで
傷ついている足が。「杉さん、これで私が独りの理由がわかったでしょう」
このときも杉さんは「あぁ、傷つけてしまった」と反省したそうです。
 今から3,4年ほど前、長崎で仕事があったとき、その小料理屋へ行こうと
探したそうですが、残念ながら、もうそのお店はなかったそうです。
「小さな幸せでも感じた人生を送ることができたのかを聞きたくて、尋ねようとしたんだけど・・・」約40年も前のことを、今でもこのように気にかけ心配されている杉さん。
私だったら、忘れてしまうことかもしれませんが、杉さんは「福祉の心はそういうところにあると思います。何気なく過ぎていく日常の中でいかに他人の想いを心に留められるかということ。」


 「『福祉』といえば『遠い存在』『縁がないもの』『勇気がいる』と
思われるかたもいらっしゃるでしょう。」と、客席に問いかける杉さん。
「例えば、今日、家に帰って旦那さん、奥さんのこと気遣ってあげる・・・それだけでも『福祉』といえると思いませんか?」
相手のことを思いやるその心が大切なのだということを教えていただいた講演でした。